Salesforceのエンタープライズテリトリー管理を理解する
Salesforceにはエンタープライズテリトリー管理という地域別、会社規模別などの区分を設けて取引先を管理する機能があります。
以前は「テリトリー管理」という機能もありましたが、Summer ’20 で廃止され現在は「エンタープライズテリトリー管理」だけが存在します。
参考:ご注意: テリトリー管理は Summer ’20 リリースで廃止されます
このエンタープライズテリトリー管理ですが、Sales Cloudコンサルタント試験では出題必須の機能です。
本記事ではエンタープライズテリトリー管理の機能について解説しています。
エンタープライズテリトリー管理の概要
エンタープライズテリトリー管理は地域別や会社規模別に「取引先」を割り当てるユーザを管理できます。
対象となるオブジェクトは「取引先」ですが、関連する「商談」「ケース」についてもエンタープライズテリトリー管理で参照・編集などの権限を設定可能です。
エンタープライズテリトリー管理では、郵便番号、業種、収益、カスタム項目などの条件に基づいて、取引先へのアクセス権限を担当者に付与できるということです。さらにエンタープライズテリトリー管理では次のことができます。
・Salesforce システム管理者がテリトリーモデルを設定し、実装する前にテストできる。
エンタープライズテリトリー管理の使用開始
・テリトリー、取引先、商談間で簡単に割り当てを行うことができる。
・レポートを参考に、カバー率が最適になるようにテリトリーを編成して、テリトリーの効率性を評価できる。
・コラボレーション売上予測を使用する場合には、テリトリー別に売上を予測できる。
エンタープライズテリトリー管理の設定方法
まずはエンタープライズテリトリー管理を有効化します。
有効化は[設定]→[テリトリーの設定]→[企業テリトリー管理を有効化]で行えます。
テリトリーの設定
テリトリーの設定ではデフォルトのアクセス権を設定できます。
デフォルトでユーザに取引先レコードが割り当てられた時にどの権限を与えるかという設定です。
テリトリー種別
テリトリー種別はテリトリーの分類と優先度を決める設定です。
優先度を決めておくことで複数のルールが該当した際に割り当てられるテリトリーが決定します。
テリトリーモデル
テリトリーモデルは取引先レコードを割り当てるためのルールの作成や構造を作成できます。
まず初めに[新規テリトリーモデル]を選択し、テリトリーモデルレコードを作成していきます。
次に「表示ラベル」と「テリトリーモデル名」を入力して保存したらテリトリーモデルレコードの作成は完了です。
わかりにくいのですが、ここで作成したテリトリーモデルレコードはルールを設定するものではなく、細かなテリトリー階層を管理する箱です。テリトリーモデルレコード自身にもルールを設定できますが多くの場合テリトリー階層でルールを設定します。
テリトリーモデルレコードを作成できたら、テリトリーを作成していきます。
指定のテリトリーモデルレコードの「階層の表示」を選択します。
次に親となるテリトリーモデルの横の「テリトリーを作成」を選択します。
次に「表示ラベル」「テリトリー名」「テリトリー名」などを入力し、アクセスレベルを設定したら保存します。
画面が遷移するので取引先レコードを割り当てるユーザの指定やルールを作成します。
割り当てルールの一例ですが、取引先の郵便番号などを指定します。
割り当て済みユーザ、ルールなどが指定されていればテリトリーの作成は完了です。
あとは親のテリトリーモデルレコードのページで「有効化」を選択したらエンタープライズテリトリー管理の設定は完了です。
まとめ
エンタープライズテリトリー管理は地域別だけでなく会社規模別などで割り当てるユーザを指定できます。ロール階層に似ている機能ですがロール階層をより拡張するような機能です。
利用したことがない人もいると思いますが、この機会にしっかり覚えておきましょう。